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2015.05.29

第4回訪問歯科ブログ

S様80代男性、脳梗塞発症後胃瘻となり施設に入所されています。
少しでもお口から召し上がりたいという、ご本人の強い希望より摂食嚥下評価をおこない 訓練が始まりました。

初めてお会いした時、お口の中が著しい乾燥状態で、声も出ず無表情にベッドに横たわって いらっしゃいました。 施設多職種のスタッフが見守る中、4ヶ月ぶりにお口から召し上がるゼリーを一口。 問題なく飲み込まれた瞬間、スタッフからの安堵の声が上がり、ご本人からは「美味しい」の一言。その場が一気に明るい空気に包み込まれました。
それから2ヶ月経ち、S様の表情が明るくなり、お口の乾燥状態も軽減され、声は充分聞き取れる様になり、「自分の願いは二度と脳梗塞にならない為に、お水をガブガブ飲む事です」と話されていました。これは訓練風景を常に優しく見守られている奥様へ、これ以上心配かけたくないという配慮から出た言葉と感じ取れました。

いつも嚥下訓練の時に思うことですが、口から食べられる一口の食物が、その方の生きる意欲 をも引き出す力があるという事です。まさに命のワンスプーンです。 日頃当たり前のように食事をしている私達ですが、本当はとても素晴らしい神様から頂いた 【摂食嚥下機能】おかげであることに感謝しなくてはならないと思います。

最後に・・ 訓練は多職種連携なくては成り立ちません。関係スタッフの皆様に感謝致します。 またご自身でひたむきに口腔機能向上プログラムを実践されているS様の努力に敬意を表します。

 

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