当院でインプラントの手術がはじめて行われたのは、今から20年前のことです。
その当院で、はじめてろう者の患者さまのインプラント手術が先日行われました。
インプラントの手術は、いろいろな器具機材を使用しますので、術中患者さまの目の前をその器具機材が通過します。そのため、通常は患者さまの目の部分にタオルをおかけし、声かけをしながら手術をしております。
しかし、その患者さまは耳が聞こえません。
目も塞がれたら、今何をやっているのか、次は何をやるのか、あとどのくらいで終わるのかなど、その恐怖感は計り知れないものになったと思います。
そこで、担当スタッフが事前に相談し、メガネをご用意させていただきました。視界を確保して、手話通訳士が患者さまから常に見える状態にしました。
また、患者さまと簡単なサインを決め、患者さまからの情報も得られるようにしました。
そして、手術が行われました。
その患者さまは、すごく不安を抱えておりましたが、安心しながら手術を受けることができ、術後はすごく喜んでいただけました。
患者さまがすごく喜んでいただけたことに、担当スタッフ全員が感激しました。
当院でまた新たな1ページがはじまった一日でした。