現在ほぼ4人に1人が高齢者であり、2025年には団塊の世代が75歳以上
となる超高齢社会が待ち構えています。
そこで、今回は要介護の原因の第一位である「フレイル」についてです。
フレイルとは、
簡単に言うと身体的、精神心理的、社会的側面に於いても、
「全身の衰え」ということです。
そこに、大きく関わるのが「口の衰え」を意味するオーラルフレイルです。
オーラルフレイルは、
咬む力の低下により食べる楽しみを制限し、
舌の力や舌の巧緻性の低下により飲み込むのに時間がかかったり、
むせたり、つかえたりするようになります。
さらに、唇の動きや力の低下により、食べこぼしが増え、
水分を誤嚥しやすくなります。
ひいては、オーラルフレイルのために、
外食や買い物に行く意欲が失われ、
旅行や長時間の外出を控えるようになり、
結果だんだん閉じこもるようになりQOLの低下をまねき、
社会との関わりが減少し気分も落ち込んでいきます。
一方、そうした活動量の低下は、内臓の状態にも影響し、食欲の低下、
慢性的栄養不良、栄養バランスの悪化、体重減少をまねきます。
それが、さらに進行していくと、重度となり要介護、運動障害、
栄養障害となっていく訳です。
この最後の状態となると、健康を取り戻すことはできません。
オーラルフレイルというのは、こうなる前に気付き、
億劫がらず歯科医院に受診し、一次予防し、または要支援をうけて、
もとのある程度健康な状態に復活する気付きにほかなりません。